縫合糸を使わない手術「ソノサージ」超音波手術システムを導入
手術の際に出血や侵襲を減らすため、人の医療にも使われているオリンパス製超音波手術システム「ソノサージ」を導入いたしました。
一般的な多くの手術では、血管や組織を結ぶために様々な縫合糸を用います。そのため縫合により麻酔時間が延長し、術後に縫合糸が体内に残ってしまいます。
安全性の高い縫合糸を用いますが、稀に身体が異物(縫合糸)に反応して「縫合糸反応性肉芽腫」という病気を引き起こす事があります。術後数カ月〜数年後に炎症やシコリを作り、進行すれば皮膚に穴があき排膿、出血してしまいます。
治療には、手術して肉芽腫と異物(縫合糸)を取り除くか、長期的な投薬(ステロイドや免疫抑制剤など)が必要になります。
ソノサージはそれらのデメリットを軽減します。
超音波振動と摩擦により血管や組織を溶着、凝固、切開します。そのため、より安全で確実な手術を、より短時間で出来るようになります。
全身麻酔の時間を短縮することができるため、去勢・避妊手術だけでなく、高齢動物の手術や、リスクの高い手術をする場合には大きなメリットとなります。
縫合糸をまったく使わない手術は不可能ですが、従来の体の中に糸を残す方法と比較するとまったく新しい優れた手術方法と考えられます。
適応可能な手術の例 |
去勢・避妊手術 |
乳腺腫瘍 |
腹腔内腫瘍摘出(脾臓など) |
子宮蓄膿症 |
体表腫瘍切除 |
軟口邪過長症など |
当院では積極的にソノサージを用いて、動物の負担を軽減し、より安全な手術を実施することを心掛けていきます。
電子内視鏡システムを行っています
内視鏡とは、ビデオスコープといわれる細い管を体内に入れることで、食道、胃、十二指腸、大腸、鼻咽頭などの状態を把握することができます。
内視鏡検査では、レントゲン検査や超音波検査ではわからないような、消化管粘膜の異常を直接見ることができるため、胃腸疾患の診断には大変優れた検査方法です。
こんな時に消化管内視鏡検査をお勧めします
- 慢性の嘔吐・下痢がみられる時
- 血便、黒っぽい便、ゼリー状の便が続く時
- 吐出(食べたものをすぐに吐く)がみられる時
- 異物(おもちゃ等の消化されない物)を飲み込んでしまった時
【ご注意ください】
※検査/処置は全身麻酔下で行います
※検査には絶食が必要です
※内視鏡が届かない場所は適応ができません
内視鏡で可能な検査・処置 |
消化管異物の回収 |
胃、十二指腸、大腸の検査 例)IBD(炎症性腸炎)、リンパ管拡張症、消化管型リンパ腫、胃癌など |
胃瘻チューブの設置 例)口腔内腫瘍(扁平上皮癌、悪性黒色腫、リンパ腫など) |